35年前に韓国を旅行中、あるお宅に招かれてオンドルを見せてもらった。当時は練炭を使用しており、部屋の隅の床が少し黒くなっていて、そこには猫がいた。家の人から、あそこが火のたきぐちで、猫は暖かいことを良く知っていると説明された。
床暖房の元祖ともいえる韓国のオンドル(温突)は床下に煙の通る煙道(写真)があって、最後は煙突を伝わって排気される。部屋の床は紙が何重かに貼られている。外の冷え込む時も室内はいたって快適で、効率の優れた暖房方法である。現在の温水式床暖房と比べれば温度むらがあるのはやむおえない。
床暖房の嫌いな人もいるし、必要かどうかで迷う人もいるが、一般の空調機との一番の違いは、温風でないことは肌によく、風邪の蔓延防止にもよいということだ。室温は他の機器より低く設定できる。壁や窓の断熱も重要。
煙道断面
各地に残る日本の古い民家は非常に貴重だと思う。木造でかつ高温多湿、台風、火事の問題などから外国の石つくりの家より保存が難しいものがあると思う。しかし妻籠、奈良井宿、白川郷、大内宿、その他何箇所かまとまって集落がなぜ残ったのか不思議だった。行ったときには話しを聞いてみるが地元の人も不思議という。あるところでは整備された道路が部落の脇を通り、残された部落は相変わらず貧しく建て直しが出来なかったという話を聞いた。また五箇山では戦後しばらくの間十分な道路がなく冬の間は雪に閉ざされ、その間物資、手紙は船で川をのぼって届けたという。
バンフから6人とガイドでカナディアンロッキーの山麓ハイキングに出かけた。いくつかのグループに出会った程度だったが、頂上付近で監視員に出会った。国立公園内は許可証が必要だが、それをチェックしていると言う。日本の国立公園では入場人数制限もなく監視員も見たことはない。
スイスは登山鉄道がどこよりも充実しており、いたるところですばらしいハイキングを楽しむことが出来る。しかし道を少しはずすと岩影にかなりのティッシュを眼にする。ハイキングコースにはほとんどトイレはなかった。一方尾瀬では人も小屋も非常に多いがゴミやタバコの吸殻はほとんどみたことはない。外国人が来て、これほど多くの人が山に入ってかつ環境が守られているのを見て驚いたそうだ。