ヒマラヤの山麓をトレッキングしているといくつかの村を通る。私はこの素朴な村が大変気にいっている。村の細い道は石敷きで多少デコボコ、ところどころ階段もある。多くの人が裸足で歩き、車は一台もいない、いや入れない。家は平たい石を積み重ねて造られている。共同の水場がところどころある。平たい石は別のところから運んできたそうで、石と石の間は土を練ってつける。積み重ねて屋根の高さになると丸太を横に渡し、屋根もやはり平たい石で勾配をとりながら葺いていく。この工法は何回でも立替られ廃棄物も出ない。車が来ないので近代的な材料も入ってこない村々は、非常に素朴で絵になる風景をつくっている。